高専ロボコン2019 Aチーム製作ロボット
近畿地区大会 アイデア賞受賞・全国大会出場
全国大会 特別賞(ローム株式会社)受賞

2019年第32回大会「らん♪ RUN Laundry」に出場したロボットです。
競技に関係していて、明石とかかっている、某企業の商品名のような面白いチーム名にしました。

アイデアコンセプト

全国大会優勝を目指して集まったAチームは、安定して満点を取ることを目標に、ロボットを製作しました。アイデア出しでは、初めに手動機と自動機の役割分担とロボットの経路の決定を行いました。その上で最適解だと思われる機構のアイデアを出していきました。そして必要な機構だけに絞り試作をせず、最初から本番機の製作に取り掛かりました。実際の機体を早く作って、とにかく実験を繰り返すことで改善点を見つけていきました。
また、チームで立てた目標は、完成度の高いロボットを楽しんで作る!というもの。勝敗は相手にもよるものなので、チーム内で目指すのは完成度の高いロボットで、後悔せずに今年のロボコンを終えるためにこの目標を立ててロボット製作を行いました。

ロボット紹介

自動機「オリオン」

1.5mの竿にバスタオルを、2.0mの竿にシーツを干します。予選で理論上最高得点を取るには、バスタオルを一枚横向きにかけて2エリアを覆わなければなりません。このロボットではその動作を可能とした機構が備わっています。

機構

全国的にも珍しく、この自動機特有の昇降機構である、“パンタグラフ”を移動機構の上に搭載。ガイドフレームと定荷重ばねによる負荷の軽減によって、安定した昇降が実現されています。
シーツを掛ける機構は、じゃばらにおって半分程度巻いたシーツをのせた部分を、モータで回転させて竿の上から垂らすというものです。片側を市販の洗濯はさみで固定し、もう片側をソレノイドでロックして、引っ張って広げました。
バスタオルを掛ける機構は、自作のスライダで挟み、ソレノイドでロックを解除してヘアゴムの戻る力を利用して放していました。バスタオルを縦向きにも横向きにもかけられるように、ロック機構自体が左右に展開することができます。

自動制御
  1. Liderセンサ(光の反射を用いた距離センサ)を用いて読み取ったフェンスまでの距離の値
  2. コントロールステーションに置いてあるRealsense(距離を測るカメラ)で、ロボットについているARマーカーを認識させて返してきた値
  3. 4つの回転式距離計から読み取った値

3つを合わせて自己位置推定をしています。ロボットはあらかじめ決められた経路に沿って走行し、例外時はロボットに取り付けられたスイッチを操作することで指示していました。コントロールステーションから自動的にツイートされる機能が、話題を呼びました。
アカウント:明石高専CS @AkashiSuperDry

手動機「スコッピー」

スタート時は小さなロボットですが、回収や洗濯物を干す動作をするといろんな箇所が伸び、まるでさそりのようなフォルムになります。手動機は洗濯物の回収に加えて、地区大会予選ではバスタオルとTシャツ1枚ずつ、地区大会決勝Tと全国大会ではTシャツを8枚、1.0mの竿に干します。

機構

ロボット中央は、洗濯物を移動させられるように大きく空洞になっています。回収~排出を一つの機構で行うことで、無駄な動きを減らすことができ、20秒での回収を実現させました。
バスタオルを掛ける機構は、自動機と同じものを採用し、斜め上方向に展開することでバスタオルを横長に持つことを可能にしています。
Tシャツを掛ける機構は、エアシリンダを用いてハンガーを持ち上げて、下ろすときは蝶番を用いて引っかからないように工夫されています。ハンガーはカラビナのように下から竿に押し当てるだけで引っかかるようになっています。

戦績

近畿地区大会

予選リーグ①明石A vs 大阪B「waship」
4-0
予選リーグ②明石A vs 神戸A「勝ち勝ち山」
15-8
決勝トーナメント準決勝 明石A vs 奈良A「飛鳥」
12-21

全国大会

1回戦 明石 vs 熊本八代「洗匠」
20-20(審査員判定0-5)

紹介ポスター

2019Aポスター

練習動画

全国大会チーム紹介VTR

ロボット解説記事

DEVICE PLUS様
DEVICEPLUS様が製作されている、「高専ロボコン2019 出場ロボット解剖計画」に掲載していただいています。初戦敗退ながらも大会最速タイムで満点を達成したということでローム賞を受賞し、特別に載せていただいいます。こちらもぜひお読みください!
DEVICE PLUS 高専ロボコン2019 出場ロボット解剖計画

神戸高専ロボ研様
神戸高専ロボ研様に解説記事を書いていただきました!こちらもぜひお読みください!
神戸高専ロボ研ロボコンチーム 高専ロボコン解説(明石『超』乾燥編)