高専ロボコン2021全国大会に出場しました

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2021年11月28日(日)、「高専ロボコン2021 全国大会」が東京・両国国技館にて開催されました。これまでコロナウイルスの影響でオンライン開催が続いていたため、今回は2年ぶりの現地開催となりました。
明石高専からは、近畿地区大会で準優勝・審査員推薦のチーム「明石止水(メイセキシスイ)」が出場しました。

大会概要

今年の競技テーマは「超絶機巧(すごロボ)」です。各チームが挑戦したい技を徹底的に追求した「すごい」ロボットを作り、パフォーマンスを披露します。2020年大会に引き続き、アイデアが重要視されたルールとなっていますが、ロボットのサイズや電源などの制限が緩和され、技術的な自由度は高まっています。また、地区大会よりフィールドが大きくなり、8000 mm × 8000 mmのフィールドでパフォーマンスを披露します。

全国大会では、全26チームが順番に30秒のプレゼンと2分間のパフォーマンスを行い、審査員により4つの評価軸(技術の難易度、技術の完成度、ロボットの完成度、パフォーマンス表現力)をもとに100点満点で評価されます。最も点数が高いチームが優勝となります。

チーム紹介

「明石止水」は、全国優勝を目標に活動してきたチームです。オンラインでの活動期間も利用して、例年よりアイデア出しを重点的に行い、優勝するためのアイデアを追求しました。ロボット名は、トップを目指して極めたチームの「明鏡止水の心」から名付けられています。

披露するパフォーマンスは「流鏑馬」です。メカメカしい流鏑馬ロボットをモチーフに製作に取り組みました。
ロボットは本格的な見た目にこだわっており、馬の頭や脚を表現する機構を搭載したり、実際に弓を引いているような発射装填機構となるよう工夫したりしました。
また、ロボットは自動制御されており、スタート後は自動で的を認識しながら矢を発射します。技術力を最大限に活かすことで、連射や走り抜けながらの発射を可能にし、流鏑馬の流れるような動きの美しさや迫力を表現しています。

また、矢を放つというパフォーマンスの性質上、全国大会が現地開催となったために安全対策にも非常に多くの時間をかける必要がありましたが、ここにも工夫を凝らしています。例えば、アクリル板や横断幕を設置して矢がフィールド外に飛び出すことを防いでいますが、無色透明なアクリル板を使用してどの場所からでもパフォーマンスを見えるようにしたり、横断幕に「明石止水」のロゴを大きく描いたりしています。このように、安全性を保ったうえでパフォーマンスに溶け込み、より華やかになるように、アイデアを出し合ってパフォーマンスを作り上げました。

地区大会では準優勝しましたが、走り抜けながら発射することができませんでした。改良や練習を重ね、さらにパワーアップしたパフォーマンスで全国大会に挑みます。

パフォーマンス

明石高専は21番目に出場しました。

セッティングタイム中に放映されるチーム紹介PVは、1年生の部員が作成しました。ロボットの製作過程の苦労やこだわりが25秒に凝縮されており、1年生もアイデア出しやロボット製作に大きく関わっている「明石止水」ならではのPVになっています(PVはこの記事の最後に掲載しています)。

パフォーマンスの初めに行われる30秒のプレゼンでは、ロボットの特徴やこだわった点を紹介しました。動画を流したりスライドを使用したりできない代わりに、手書きでアピールポイントをまとめたスケッチブックを使ってプレゼンをすることで、審査員や観客の方にもわかりやすいプレゼンになったのではないかと思います。

パフォーマンスは、走り抜け→3連続→移動する的に発射という構成です。スタート後、ロボットは所定の位置まで移動しましたが、弦をロックする機構に不具合があり、装填動作のあとすぐに矢が飛び出してしまって的を射抜くことはできませんでした。その後、次の動作に向けて再びロボットを動かしますが、こちらも矢の発射のタイミングがずれてしまいなかなか的を射抜くことができず、最終的には5発中1発が当たりました。

完璧なパフォーマンスを披露することはできませんでしたが、ロボットの全自動化など難しい課題に挑戦したことが評価されたのか、「技術の難易度」の点数が特に高く、得点は80.7点となりました。

今回は特に安全対策に非常に多くの時間を費やす必要があったという事情もあり、全国大会までのスケジュールに余裕が少なく、練習時間が当初の予定より減ってしまいました。練習では完璧なパフォーマンスができていたこともあり今回の結果は悔しく思います。しかし、2年生のチームリーダーを中心として、優勝を目指すチーム運営や、自動ロボットの制御、機構の製作などレベルの高い技術への挑戦をすることができました。

大会結果

残念ながら受賞はありませんでしたが、4年連続で全国大会に出場することができました。さらに、2年ぶりの現地開催の大会に出場したことで、これからロボ研の中心となっていく低学年のメンバーが会場の雰囲気やピットでの作業を体験することができたのは、非常に貴重な経験となったと思います。

最後になりましたが、今年も高専ロボコンへの出場にあたって、ひょうご科学技術協会、明石市、明石高専後援会・同窓会・明機会、ACT135、多くの個人の皆様にご支援をいただきました。この場を借りて感謝を申し上げます。また、大会会場やライブストリーミングで応援していただいた皆様、本当にありがとうございました。


YouTubeでライブストリーミング配信された大会の映像と、チーム紹介PVはこちらからご覧いただけます!

高専ロボコン2021全国大会 ライブストリーミング映像
「明石止水」チーム紹介PV