高専ロボコン2015 Aチーム製作ロボット
2015年第28回大会「輪花繚乱」に出場したロボットです。
近畿地区大会で10年ぶりに優勝し、全国大会で19年ぶりのベスト4を記録しました。
輪の発射機構
輪の発射機構は3つあり、目的に応じて使い分けています。
- 近距離機構
自陣ポール用。パチンコの要領で輪を飛ばします。100本の輪ゴムがついたスライダーをワイヤーで引っ張り、自陣ポールに近づいたときにコントローラでロックを解除して輪を飛ばします。輪は3つ装填できるようになっています。 - ローラ機構
中央ポールと相手ポール用。ローラはアルミ製で、輪の発射時に回転速度の低下することを防ぐねらいがあります。ローラの回転速度はコントローラで調整可能。自由にポールを狙うことができます。連射速度は毎秒1発。 - 投石器機構
中央ポール用。投石器の要領で大きな輪を飛ばします。トレーニング用のゴムを伸ばし、ロック機構で解除することで、中央ポールへ輪を2本掛けをすることができます。
輪の装填機構
1996年に全国大会で準優勝した「Hunter」の装填機構を参考にしています。
積み上げられた輪を下から押し上げ、一番上にある輪をベルトで押し出すことでローラ機構へ輪を供給します。28個の輪を装填でき、ローラ機構に連続で供給することが可能です。
また、輪をローラ機構に供給しやすくするガイドとしてそろばんを使用しています。
制御
Raspberry Pi 2 Model Bを2台、Arduino pro miniを5台使用しています。
Raspberry Piをマスターとし、Arduinoをスレーブとする通信システムを構築し、データのやりとりを行っています。
コントローラはDualshock3を2台使用しており、操作の役割を分けています。
【メインコントローラの機能】
足回りの移動
ローラ機構の動作/停止
投石器機構ロック解除
【サブコントローラの機能】
装填機構の上昇
近距離機構ロック解除
ローラ機構の回転数調整
回路
2015年度より新しいモータドライバを開発したことにより、ロボットの動作安定性が大幅に向上しました。
バッテリー
駆動部には、Li-Poバッテリー(7.4V 4000mAh)を2個直列にしたものを2セット(計4本)使用しています。ローラ機構はバッテリーの消耗が激しいため、ローラ機構用に1セット、その他の駆動用に1セットとしました。
コンピュータ部にはモバイルバッテリーを使用しています。
戦略
戦略はまさに「百花繚乱」。多種多様な戦略を考えて、臨機応変に変えています。様々な相手を想定し、練習を積み重ねていました。
大会
近畿地区大会では、投石器機構による輪の2本掛けが全試合成功したことや、多種多様な戦術により、次々とVゴール等で勝利しました。決勝戦では優勝候補だった奈良高専Aチーム「大和」に勝利し、10年ぶりの優勝を果たしました。大和に勝利したロボットは全国大会も含めてこの「わっさん」のみです。
その後全国大会へ向けて改良を行い、輪の射出精度を向上させました。
全国大会では、準決勝の舞台まで進出。準決勝では奈良高専「大和」との対戦でしたが、相手も全国大会にむけて対策をしており、リベンジされ敗れてしまいました。しかしながら、19年ぶりのベスト4を記録することができました。
再び対戦!?
2015年12月15日に放送されたNHK総合(大阪放送局)の「学校再発見バラエティー あほやねん すきやねん」にて再び奈良高専「大和」と対戦しました。